HR forecasterがITエンジニア職の年収データを公開、AIとデータサイエンス関連職種の高給与が顕著に

HR forecasterがITエンジニア職の年収データを公開、AIとデータサイエンス関連職種の高給与が顕著に

PR TIMES より

記事の要約

  • HR forecasterがITエンジニア職の年収データを公開
  • ITコンサルタントが平均年収752万円でトップ
  • AI・機械学習スキルが年収に大きく影響

HR forecasterがITエンジニア職の年収データを公開

パーソルキャリア株式会社が運営する求人票支援サービス「HR forecaster」は、2024年8月26日に「保存版ハンドブック スキル年収マップ」の「ITエンジニア編(2024年度)」を公開しました。このデータは、転職サービス「doda」の200万件以上の転職統計データを活用して作成されています。ITエンジニアの採用難易度が高まる中、適切な給与提示の重要性が増しており、このデータ公開はその課題解決の一助となることが期待されています。

公開されたデータによると、ITエンジニア職の平均年収ランキングのトップは「ITコンサルタント」で752万円となっています。2位は「プリセールス」で680万円、3位は「データサイエンティスト」で617万円でした。これらの結果から、IT戦略の策定やDX化を担う職種、そしてAI開発やデータ分析に関わる職種の需要が高まっていることがわかります。また、開発言語の平均年収ランキングでは、機械学習やデータアナリティクスで利用される「R」が656万円でトップとなっています。

興味深い点として、ITエンジニア職においては社会人経験の長さが年収に大きな影響を与えないことが明らかになりました。例えば、社会人経験13年未満のITコンサルタントの平均年収は587万円で、全体平均との差が小さいことがわかります。これは、ITエンジニア職では経験年数よりもスキルや技術力が重視されていることを示唆しています。また、「データサイエンティスト」は特に経験年数による年収差が小さく、近年の需要の高まりを反映しています。

スキルや経験による年収差も明らかになりました。例えば、インフラエンジニアの中でデータマイニングの経験を持つ人材は、平均より273万円高い693万円の年収となっています。同様に、Webサービス系エンジニアで冗長化の経験がある場合や、ITコンサルタントで内部統制・監査の知識がある場合も、大幅な年収アップにつながることが示されています。これらの結果は、ビジネストレンドに沿ったスキルを身につけることの重要性を強調しています。

HR forecasterは、このデータを通じて企業の適切な人材獲得戦略の立案や、ITエンジニアのキャリアプランニングに役立つ情報を提供することを目指しています。また、同社はITエンジニア職以外にも、企画・管理職、営業職、マーケティング・Webクリエイター、建設・建築・不動産、機械・電気・電子などの職種別年収データも公開しており、幅広い業界での活用が期待されています。

ITエンジニア職の年収データまとめ

ITコンサルタント プリセールス データサイエンティスト
平均年収(全体) 752万円 680万円 617万円
平均年収(13年未満) 587万円 539万円 586万円
年収差(全体vs13年未満) 165万円 141万円 31万円
特徴的なスキル 内部統制・監査 R言語
スキルによる年収増加 244万円

ITエンジニア職年収データのダウンロード

ニュースを読んでみた所感

HR forecasterが公開したITエンジニア職の年収データは、現在の技術トレンドと労働市場の需要を鮮明に反映していると感じました。特に、AIやデータサイエンス関連の職種やスキルが高い年収に結びついている点は、これらの分野への投資や人材育成の重要性を示唆しています。また、社会人経験年数よりもスキルや専門性が重視されている傾向は、ITエンジニアのキャリアパスの多様性を示すものであり、生涯学習の重要性を強調していると言えるでしょう。

今後、このようなデータ公開に期待したい点として、より詳細なスキルマップの提供が挙げられます。例えば、特定の技術スタックやプロジェクト管理手法の習得が年収にどのような影響を与えるのかなど、より具体的な指標があれば、エンジニアのスキルアップ戦略に直接役立つ情報になるでしょう。また、地域別のデータや、リモートワークがどのように年収に影響しているかなどの分析も、現在の働き方の変化を反映する上で有用だと考えられます。

長期的には、このようなデータを活用した人材育成プログラムや、企業と教育機関の連携強化にも期待が高まります。ITエンジニアの需要が高まる中、市場ニーズに合わせた効果的なトレーニングプログラムの開発や、キャリアカウンセリングの質の向上につながる可能性があります。さらに、このデータを継続的に更新し、時系列での変化を分析することで、IT業界の動向をより正確に把握し、将来的な人材ニーズの予測にも役立つのではないでしょうか。

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