記事の要約
- ビー・インフォマティカが7.1千万円の資金調達を実施
- マレーシアでデジタルマイクロファイナンス事業を展開
- デジタルライセンス取得でマレーシア全国展開を目指す
ビー・インフォマティカのシードラウンドによる資金調達と事業展開
ビー・インフォマティカ株式会社は2024年8月23日、シードラウンドで総額7,100万円の資金調達を実施しました。引受先はデライト・ベンチャーズをリードVCとし、株式会社フォーデジット、株式会社Luatsu、株式会社エージェントなど計10社のCVCおよびエンジェル投資家となっています。この調達により、同社の創業以来の累計調達額は約1.1億円に達しました。
調達した資金は、マレーシアにおけるスモールビジネス向け少額融資事業の拡大やデジタルライセンス取得のための開発費用に充てられます。また、有担保(車両)ローンスキームの創生と実行、東南アジア諸国の市場調査、組織拡大に伴う新規採用にも使用される予定です。ビー・インフォマティカは、独自の信用スコアリングを用いたマイクロファイナンス事業を展開しています。
同社のサービス「Funding Bee」は、銀行残高証明書に記載される6ヶ月分のキャッシュフロー記録やSNSのPV数、自社開発の「サイコメトリックテスト」を用いて返済意思や能力を判断します。これにより、従来の金融機関からの融資を受けられなかったスモールビジネスに対しても、金融アクセスの機会を提供することを目指しています。現在マレーシアで事業を展開中で、デジタルライセンス取得後はマレーシア全土での展開を計画しています。
引受先のデライト・ベンチャーズは、東南アジアのフィンテック市場の成長性に注目しています。マネージングパートナーの渡辺大氏は、スマートフォン普及やデジタル決済の急速な進展に比べ、ビジネスに必要な金融アクセスが限られている点を指摘し、ビー・インフォマティカのサービスが東南アジアの経済活性化に貢献すると期待を寄せています。また、プリンシパルの西田光佑氏は、デジタルライセンス取得後のマレーシア全土での事業展開に注目しています。
ビー・インフォマティカの代表取締役CEOである稲田史子氏は、今回の資金調達を通じて事業を次のフェーズに引き上げ、デジタルライセンス取得により多くのスモールビジネスに金融サービスを届けることへの期待を表明しています。同社は「すべてのスモールビジネスがフェアに評価され金融にアクセスできる世界を作る」をミッションに掲げ、東南アジアにおける金融包摂の実現を目指しています。
ビー・インフォマティカの資金調達と事業概要まとめ
詳細 | |
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調達金額 | 7,100万円(シードラウンド) |
累計調達額 | 約1.1億円 |
リードVC | デライト・ベンチャーズ |
主な投資家 | 株式会社フォーデジット、株式会社Luatsu、株式会社エージェント他 |
事業内容 | マイクロファイナンス・代替信用スコアリングモデル |
主要サービス | Funding Bee(スモールビジネス向けデジタル少額金融ソリューション) |
展開地域 | マレーシア(デジタルライセンス取得後に全国展開予定) |
ニュースを読んでみた所感
ビー・インフォマティカの取り組みは、東南アジアにおける金融包摂の促進という点で非常に意義深いものだと感じます。従来の金融機関では対応できなかったスモールビジネスに対し、独自の信用スコアリングモデルを用いてアプローチする手法は革新的です。特に、SNSのPV数やサイコメトリックテストを活用する点は、デジタル時代に即した新しい与信判断の形として注目に値するでしょう。
今後期待したいのは、このモデルの精度向上と他の東南アジア諸国への展開です。マレーシアでの成功を基盤に、各国の法規制や商慣習に適応しながら事業を拡大していくことで、より多くのスモールビジネスに金融アクセスの機会を提供できるようになるでしょう。また、データの蓄積と分析によって、より精緻な信用評価モデルの構築も可能になるはずです。
一方で、急速な事業拡大に伴うリスク管理やコンプライアンスの徹底も重要な課題となるでしょう。特にデジタルライセンス取得後の全国展開においては、システムの安定性や顧客データの保護など、技術面でのさらなる強化が必要になると考えられます。ビー・インフォマティカがこれらの課題を克服し、東南アジアの金融インフラ整備に貢献していくことを期待しています。
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